住宅の断熱改修推進の背景
昨今地球規模の気候変動対策として脱炭素社会・カーボンニュートラルの達成が求められており、断熱改修等による住宅の省エネ化は喫緊の課題となっています。
そのような背景から、日本でも住宅の高断熱化が推進されています。
(画像: 一般財団法人ベターリビング『あったか住まいガイド』)
部分改修とは
断熱改修というと住宅の床・外壁・屋根・開口部等全体を見直す工事のため、かなり大がかりなイメージがあるでしょう。
そのイメージ通り、施工時の費用負担は小さくはありません。
長期的に見れば断熱改修で冷暖房費節約や健康への好影響による医療費削減が期待できるのですが、初期費用が高額で二の足を踏まれる方も多いと思います。
そんなときの選択肢の一つが、「部分改修」です。
家族構成の変化等で普段使用する部屋が限られているのであれば、部分改修は有効な手段の一つと言えます。
例えば2階をほとんど使っていないので1階だけ断熱リフォームをする、といった改修が「部分改修」にあたります。
普段使用する部屋を中心に、移動の導線を含めた熱的境界を設定することがポイントです。
国土交通省ホームページに、部分断熱改修の進め方と効果のPDFが公開されているので、詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。
部分改修のメリット/デメリット
部分改修は範囲を定めて工事をするので、家全体の断熱改修よりコストを低く抑えられるメリットがあります。
また、部分改修をしてみて断熱の効果が実感できたら全体の改修を考えたい、という場合にも有用でしょう。
ただし、部分改修は正しい知識をもって事前調査を行い、適切な熱的境界を定めないと断熱の効果が得られません。
部分改修のデメリットとして、改修部と未改修部に温度差が生じるため、頻繁に出入りする場所が熱的境界の外にあると、ヒートショックのリスクが高まる危険があります。
部分改修をお考えの際は独自に判断をせず、専門業者に相談しましょう。
まとめ
家族構成やお部屋の使用状況によっては、高いコストパフォーマンスが期待できる「部分改修」。
断熱性を高めたいけれども、使わないお部屋や使わなくなる予定のお部屋が複数ある場合は、部分改修を検討してみてはいかがでしょうか?